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先入観の塗り替え作業

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昼は暑いくらいになってきたので春用に買ったチェックのワンピースを着て外に出る。建設120周年記念のため去年から校舎のあらゆる所が綺麗に建て替えられていた今日は壁をおじちゃんたちが塗り替えていた。太陽の下で1度真っ白に塗った壁をまたほかの色に塗り替えていく作業は見ているだけで清々しい。

国際色豊かな留学生が集う学校に通うということは色々な国の人に出会える。

わたしが一番はじめに友達になったのは今の親友の韓国人、その次は英語の国で中国語の家庭で育ったシンガポールのお姉さん、フランス育ちの中国人もいたし香港育ちの韓国人もいたしイタリア育ちのフランス人もいたし日本人として日本に生まれて日本語しか話さない自分のが特殊だった。

何か国語にも当たり前に触れて育ってきた人たちと自分のスタートラインの違いについて考えて苦しんだこともあったがあまりにもどうしようもないことなので別に今はどうでもよくなった。

最近ではフランス人に会おうとドイツ人に会おうと特になにも感じなくなってしまったがこの間久々に「おー初めて会った」という国の人と同じグループになって話した。

彼女は金髪の綺麗な髪のヨーロッパを感じるような外見をしていて、どこの国かと聞くと「アイズなんちゃら」と言っていた、最初聞き取れずアイズなんちゃらっぽい国を想像してみた。なにせスペインとメキシコが隣にあると思っていたようなわたしなので、全くどこがどこだかなにがなんだか分からずアイスランドね〜というかアイスランドってあるっけ?アイズランドだっけ?と勝手に解釈していたのだがよくよく聞くとイスラエルの人だった。

恥ずかしながらインドとインドネシアが隣にあると思っているようなわたしなのでなんとなく危険そうなイメージのある国なような気がしてほう、と思った。彼女は「軍事訓練に女の子もいかなきゃなんないんだけど生理の時わりとつらい」と言っていた。生理の時つらいというのが生活の上での悩みの大きな部分を占めるのはみんな同じなんだなと思った。その時同じグループになった他のお姉さんは(どこの国の人が忘れちゃった)インド人の旦那さんの親に会うときに嫁姑関係で若干揉め事があったりするのが最近の悩みと言っていた。女の悩みは共有しやすいなと思った。

今学期からまた新しく会うクラスメイトがいる。北朝鮮のおじさんたち3人だ。

国籍は韓国となっているので名簿を見た時はわからなかったがちょっとだけかしこまった韓国語を話していて常に3人でいる様子や、ちょっと地味な服装で他の人と交流したりはせずに抜群の授業態度で一生懸命に勉強している姿を見ていてなんとなくそうじゃないかと思っていた。

韓国の明るく活発なお兄さんがおじさんたち3人に中国語で話しかけたところ最初は中国語で会話していたところお互いにあれ?韓国語話す人だ!となりそのおじさん達は途中で会話を止めてどこかへ行ってしまったそうだ。

「初めて会ったけどちょっと怖かった。この人たちと戦うことがあるかもしれないんだなって想像した。」と言っていた。

わたしは韓国人のお兄さんやお姉さんと話す時は中国語ではなく韓国語なので、北朝鮮のおじさんたちにどう思われてるんだろうかとちょっとした恐怖がよぎらなかったわけではない。

でも今日も韓国人のお兄さんと北朝鮮のおじさんとわたしは3人で並んで授業を受けたし別にただのおじさんだ。

1度日本人のおじさんと朝鮮族の中国人のおじさんに、北朝鮮レストランにつれていってもらったことがある。

民族衣装を着た綺麗なお姉さんたちが歌ったりバンドをしたり踊ったりするのを見ながらご飯を食べてお酒を飲んで、最後はお姉さんたちと手をつないで舞台にあげられてみんなで踊った。

北朝鮮のお姉さんたちは楽器がすごいうまくてとんでも美人だった。優しかった。

わたしは北朝鮮にもイスラエルにも行ったことがないし正直どういう国なのかどういう生活でどういう状況の国なのかよくわからない。この年齢で外国語を学んでいてそんなこともわからないことは恥ずべきことなのかもしれない。というか恥ずべきことだと思う。世界地図もわかんないような21歳なんてあかんすぎる。

けどあまり多くの情報を持たずにただ人に会って楽しく話してその人に好感を持って、ということができることへの手助けになっているのだとしたらありがたかったなと思った。

わたしの中での北朝鮮のお姉さんたちは楽器のうまい優しい美人さんだし、北朝鮮のおじさんたちは勉強熱心で目が合うとほほ笑みかけてくれる人たちだし(さっきゲップしてて笑った、ほんとに普通のおじさん)、イスラエルのお姉さんは生理痛つら〜のかわいい女子だったし、背景を持たないで人に触れるのは大事だと思った。

わたしたちの脳内を一旦白に塗り直してまた綺麗な色を塗り直すのは壁を塗り替えるみたいには簡単じゃない気がする。