秘密を持ちたい


いつからか、生まれた時からなのか、隠し事がとにかくできない。自分のしたいいとこも悪いこともよかったことも嫌だったことも軽い話も重い話も基本的には全て「全体に公開」に設定してありなんなら初めて会った人に鞄の中身も財布の中身も自分の部屋も干しっぱなしの洗濯物も公開できる。それでもなんとなく社会的にこういうことは人に言うもんじゃないなということは話さないように気をつけているが自分の中に基本的にNG案件はない。隠すというか話したい。自己顕示欲が高い。かなり迷惑な話である。もし大きな犯罪を犯してしまったらとりあえず仲良い友達に一通り話した後、話しても関係なさそうな人に話しまくり自分でも収集がつかなくなり数日で自首すると思う。

昔から隠し事を極端にしないタイプだったので、というかアナと雪の女王のヒットとともにちびっこたちが「ありの〜ままの〜すがたみせ〜る〜のよ〜」といつでもどこでも歌っていたように、それが魅力的な人間になるための最善策だと思ってしたしなによりそれが普通だと思っていたので、人には秘密の方が多いのではないかと気付き始めたときに目からウロコ状態だったし「こっちは全部ひけらかしてんのに不公平じゃねえか!」と突然被害者ヅラまでし始めたわけだがなんとも自分勝手な話である。隠し事をしたら捕まる法律があるわけでもないしどっちかというとなんでもかんでも人に話しまくってひけらかしてるほうが迷惑だしなにより頭が悪そうである。

わたしの経験から秘密の多い人たちや人にあまりいろいろなことを話さない人たちは「別に隠しているわけじゃない」らしい。「聞かれてないから別に話さない」ということである。言い換えるとわたしは「聞かれてないのにも関わらず一から十まで自分の話ばっかりしている」のだ。友達になりたくない。

これまた頭が悪そうな思考ではあるが、秘密を持っている人のほうがミステリアスだしなんか魅力的な気がするので(実際魅力的な人は多くを語らないイメージがあるしなんか羨ましい)わたしもどうにか秘密を持とう、なにか人には言えない、いや、言えないのではなくて言わない事実を持とう、と努力してみたのだがどうにもこうにも無理だっだ。その日中に少なくとも必ず3人以上には話してしまう。秘密にしなければならないことを秘密にするのではなく、もうなんなら今日あった出来事を基本的に3人以上には話してしまう。こう考えるとわたしの友達たちはよくそんなめんどくさいことを引き受けてくれているなと思う。聞いてもらった謝礼金を払わなければならないレベルで全てを話している気がする。

だいたい秘密を持ちたいと思うようになったことも心の中にとどめておけばいいものの、というか普通はそうするのであろうがどうにもできずこんなところに「全体公開」している。ありのままのすがたを見せすぎてありのまあまの自分になりすぎて女としての魅力を完全に失っている。全く持ってアホである。とにかく誰にも公開したことのない事実がほしい。なんか魅力的に見えたい。自己顕示欲の塊が何を言うか。