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変のくくり

 春が一瞬で終わった。桜を意識した春色のネイルと、最近買った桜の香りの練り香水だけ が取り残されて妙に浮いている。夏が来るかと思ったら突然の雨続きで毎日頭が痛くて、起きているのか寝ているのか自分でもよくわからない。食事の時間に食事をすることでなんとなく時間の感覚や生活のリズムがでるのでここのところご飯をしっかり食べていたらあんなに頑張って落とした体重が一瞬で戻ってしまった。なんだって続けるのはあんなにも難しいのに辞めるのは一瞬であっけなく、悲しい。  

最近そういうタイミングなのか、「女の生き方」みたいなことに焦点が置かれている本を読む機会が多くあった。前に書いた「女子をこじらせて」や「負ける技術」もそうであったがそれに続いて漫画「東京タラレバ娘」を読んだら読み終わるころにはぐったりしていた。多分ああいう主人公から遠い場所にいる人たちは「おもしろい」か「むなくそ悪い」の二択で近い人たちが読むと「ホラー」だと思う。この漫画、批判も多そうだなと思い、ちらりとAmazonのレビューを読んだら「主人公たちがあまりにも自分のことしか考えていなくてこんな人とは絶対に付き合いたくないし見ているだけで気分が悪い」みたいなことが書いてあってますますぐったりした。見なければよかったがこれが一般的な意見なのかもしれない。私はあまりにも自分のことしか考えていないことくらい自分が一番よく分かっている。 

 こっちに来てから仲の良い友達が彼氏を紹介したいからと三人で会うという経験を4度経験した。わたしに紹介したいと思ってくれることはすごくありがたいし好意的にされているのだということは重々にわかっているのだが、わたしがめちゃくちゃ初対面で人見知りをするということと、目の前で友達が彼氏とカップル的なことをしているのを目の前で見ながら、本当にどうしたらいいのかわからなくなってしまうのである。そして更に話せなくなって、表情が硬くなっていき、友達の彼氏が明らかに気を使っているのがめちゃくちゃ伝わってきて更にどうしたらいいのかわからなくなり、申し訳なくなり早く帰らなければと思い、無限の悪のループに入ってしまうのである。書いていても自己中心的で嫌になる。

そもそも自分以外の二人が特別仲良しだという友達3人で会うとしてもうまく振る舞える自信がないのにそこにカップルが投入されるなんてわたしにはあまりにも難易度が高い。

既にその失敗は日本での経験も含めて何度も何度も繰り返していたのにも関わらずその日も友達にも友達の彼氏にも気を使わせに使わせたあげく、全く打ち解けない気まずい空気のまま他人行儀に別れて一人で地下鉄に乗って帰宅した。 

 そのカップルを見ていてびっくりしたのが秒で喧嘩することだった。折角彼氏が深夜バイトを重ねてそのお金をすべて持って上海まで会いに来たというのに昨日大喧嘩をして彼女は大泣きをしたという。喧嘩の原因はというと、彼女が最近なんとなくやる気がでなくて、折角久々に会ったというのに彼氏の話を聞くのもめんどくさくて、彼氏の話に対して「ごめん、興味ない」と返していたのだが、彼氏に対して「話しかけないで」という態度をとったため、彼氏もなんだよと険悪な雰囲気だったのだが、急に彼氏に対して申し訳なくなって「わたし、久々に会ったのにこんなんでほんとにごめん。だけど本当に興味がないから興味がない話を聞けない。この態度を変えることはできない。わたし、精神病院行ったほうがいいかも。こんな彼女でごめんね。でも本当に今は話聞きたくない」と泣いたらしい。

精神病院のくだりをあまりにも真面目な顏で話すのでびっくりしたのだがそれに対して彼氏は「大丈夫、本当に心がつらいなら俺が一緒に病院に行ってあげるからね。」と答えたらしい。最初から最後まで全く理解が出来なくてきょとんとしてしまった。

それ以外にも彼氏が何か言うたびに喧嘩しそうになってその度に彼氏が「ごめん、怒った?」と聞いていた。

旅行中のお金は全て彼氏持ちだったらしいのだが彼女が彼氏のお金を握っており残金を確認してから「なんでこんなに少ないの!?何にこんなに使ったの?お金落としたんじゃないだろうね!」とキレる彼女に「わかんない…」と答える彼氏だったがわたしから言わせると「あんたの分の食事代交通費代もろもろ全て払ってるんだよ…ていうか払ってもらってんじゃん…」と思った。このあたりのくだりも全くわからなかった。

あと彼氏はブランド物の鞄をプレゼントしていた。安く見積もっても5万はすると思う。その後も欲しいものがあると「これ欲しいな~愛してる!ハート!」と愛嬌をして買ってもらったあとに「買わせちゃって申し訳ないよ、ごめんね…」と急に落ち込んで彼氏は「気にすんなよ!」と言っていたが申し訳なくて落ち込むならなぜ欲しいな~愛してる!と彼氏に目配せしたのか全くわからないし本当にひとつも理解ができなかった。

本当に書いていても一つも理解ができない。

 昨日仲良しのお兄さん(他に書き方がないのでこう書いているだけで別に言うほど仲良しではない)と久々に会ったのだが、お兄さんは「俺の彼女が(紹介してもらったので知り合い)さりいにお土産を買ってきたんだけどさ、さりいだけに買ってくるなんておかしいから俺が怒ったんだよ。他の人にも買ってこないとダメだろって。それで大喧嘩になってほんとに大変だったんだよ。あいつ、さりいのことを気に入っててかわいいのはわかるけどさりいにだけ買ってくるなんて礼儀がないよな?次回からは全員に買ってこいっていったんだけどさ。」「あ、それとお土産なんだけど、賞味期限がすぎちゃってさりいに渡す前に腐っちゃったんだよ…ごめんな」と開口一番に話した。

お土産が腐っちゃったのはまあしょうがないのだけどいろいろと話が理解できなくて混乱した。 「え、なんでそこで喧嘩するんですか?」 思ったままに伝えると「全員に買ってこないのは礼儀がない」とのことだった。

その意見は受け入れるとして別にそこで喧嘩はしなくてもいいじゃんと言ったのだが「むかつくじゃん」とのことだった。

彼女が誰にお土産を買おうと勝手だし、一回一緒に食事しただけのわたしはその気持ちがありがたくてすごくすごくうれしいのにそんなことで喧嘩されたら彼女に申し訳ない。というかお土産を腐らせているお兄さんのほうがよっぽど「おい」という感じだ。

わたしは「彼女さんにありがたいやら申し訳ないやらだけど本当にうれしいですありがとうとお伝えください」と言った。 

お兄さんはその後も「最近彼女と喧嘩が絶えない」と言い始め「俺が煙草を吸ったことに対して怒ってきたんだぜ?正直に吸ったって白状したのに!!」というので「約束してたなら吸ったらあかんやん」といったら「白状したのにそんな怒られたらむかつくやん」と言っていた。 

その他にも「スマホをなくしたから先輩にアイフォンを借りてたんだけど、そのアイフォンに出会い系アプリが入っていてそれが彼女に見つかって怒られ喧嘩になった」という話をしはじめた。お兄さんは出会い系アプリをするのが好きなので「それはお兄さんがあかんやん」と言ったら「その携帯は俺のじゃないからそのアプリをダウンロードしたのは俺じゃないしそもそも俺はその先輩のことは嫌いだ」とかわけのわからないことを言い始めたので「なんで嫌いな人からそんな大事なもの借りるの?」と聞いたら「必要だから借りるやろそりゃ」とうい答えが返ってきた。

驚いたのはそのあとで「その先輩のせいでこんな喧嘩になったわけだからむかついてその先輩に電話しようと思ったんだけど夜中だったから我慢したんだよ。そこらへん、俺賢いだろ?」とのことだった。全く理解ができなかったので「ちょっと理解できないです」と言ったら中国語で説明されなおされた。いや、そういうことじゃない。

 そして今度はその場にいた親友が「彼氏が遊びに行くらしい、わたしにはクラブとか行っちゃだめっていうのにさ!許さねえ!!!」と言い始めた。「女と遊ぶの?」と言ったら「いや違う、男女の集団でお酒飲みに行くんだと思う」というので「じゃあいいじゃん、あんたもこっちのクラスメイトと酒飲んだりしとったやん」というとそれとこれとは話が違うらしい。どう違うのかわたしにはわからないので「わからん」と言った。 

 お兄さんが「さりい、いい加減いい人出会ったか?さりいは痩せたい痩せたい言うけど顔が重要なわけじゃないんだからまだ希望はあると思う!」というようなことを言い始め、そのあと「一番何が重要なの?」と聞かれたので「常識があるかと優しいか優しくないか」と答えると親友が「は?普通女はこの人とキスできるかどうかで決めるんだよ?さりい性格かよ!ブスでもいいの!?!?」と言われた。

するとお兄さんが「俺はきれいかきれいじゃないか」と言っていた。さっきと言っていることが真逆である。「さっき顏は重要じゃないいうとったやん」というと「きれいっていうのと顔とは若干違うんだよ!わかるか?」とわけのわからないことを言っていた。

「さりい、優しいが基準なんて変だよ!大丈夫?!?!変な男にひっかからない!?だいたい人の性格なんて1年一緒に住まないとわかんないぞ!?」と言っていたので「うむ、わたしは多分人の性格をだいたい把握するのにそんなに時間がかからないと思う」というと「さりいはまだ人生経験が足りないな」とのことだった。 

その後昨日のカップルの喧嘩の話やいろいろな行動が理解できなかった話をすると「カップルなんだから当たり前だろ」と言っていた。なぜわたしが理解できないのかを説明すると二人して「最近思うんだけどさりいは人と考えがちょっとずれてると思う。変わってるよね。あと怒りの感情がないよね」と言われた。

その瞬間にめちゃくちゃ突き放されたような気持ちになってそれ以上その話題をするのをやめた。やめたというか理解したようなふりをして「さりい、恋愛っていうのはな…」というのに「うんうん」と言っておいた。正直ほとんど理解ができなかった。 

 わたしは人との関わる時に、他人に対してしていいことなのかということを重視するし、すごくフェアであるかないかにこだわるタイプだと思う。なぜかはよくわからないけれど、そこがしっかりしていない関係性なのに上手くいっている、なりたっている、お互いに好きであるというのがどうも理解できないらしい。

自分で、もわっと出した結論なのでそれも正解なのかよくわからないのだがそんな気がする。

というかお兄さんいわく「なんでそんなに理論的に考えようとするの?」らしい。わたしから言わせると「なんでそんなに感情的なの?」だ。  

結論もなく導入ばかりが長い記事をこんなにダラダラと書いておいてあれなのなが、このカップル云々話よりも「変だから…」と突き放されたことが結構悲しかった。

ちなみに自分のことを変だと思ってことは全くない。本質的に変だと自分が変なことに気が付かないというのはよくある話だがそれにしてもそんなに変ではないと思う。それに「変だから…」の一点で急に「この人にはなにを言っても…」という態度をとられたことが割と悲しかったようで、その後は「もう何も言わないでおこう…変だし人と分かり合えないし静かに一人で暮らそう…」と思った(急に壮大)(重い) 

 それにしても上の世代も自分の親も同世代も友達も高校生も中学生も小学生も普通にしているカップルをするのがわたしにとってこんなに難しいとは思いもしなかった。